出とちり

2009-05-15

paris2 まあ、毎日舞台に出ていると、たまには出番を忘れたりするわけです。(普通の人はそんなことはないと思います)
 有名人が、これをしでかすと、出とちりそばとか言って、おそばが振る舞われたりして(由来不明)、それはそれは、楽しいイベントな訳ですね。
 けど僕たち端役は、そんな財力があるわけもなく、悲しい事件にならないように必死です。でも、よくやりました。(爆)
 このことは、師匠はあまり知らないと思います。(さらに爆)
 宅急便屋さんの役の時に、さあ出ようと思ったら、大道具さんに羽交い締めにされて、「何考えてんだ!そっちは舞台だぞ!」と止められた事もありました(汗)。逆に、出前のお兄さんが、舞台を横切ることもありますが・・(?)

 しかし、師匠にばれた事もあります。
ある舞台が始まる前に、師匠と将棋をする事になりました。
師:「おい、大丈夫か?」
僕:「はい、大丈夫です!危険がないように、衣装はわざと着ません、こうすれば、前もってやめるでしょう。笑」
師:「おお、そうだな」
・・・・・・・<時間の経過>・・・・・・
 そして、将棋も佳境に入った頃!
師:「おい、これオープニングの音楽じゃないのか!」
僕:「えっ?あ”-!そうです!げーーー」
 

 もう、後の祭りですね。とりあえず、遅れて舞台へ、そして袖に引っ込んだら、すっ飛んで、座長の部屋へ!!
 「失礼します」と入室して、次の間に土下座してですね。
座:「どうした?」
僕:「はい、出とちりました!申し訳ありません。」
座:「あぁ、そうか」
僕:「・・・・・・・・・・」
座:「下がってよろし」
僕:「はい!」
 おー、命拾いしました。座長の寛大さに感謝!そして、この迅速な行動をした自分にあっぱれ!
こうして、役者は、短い命をつないでいくのでした。しかしですね、板付きの役者がいないのに、どうして舞台監督さんは、幕を開けるかな~。?
 そうなんです。役者は、自分の身は自分で守るのです。

 

 

 


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