至福の代役
舞台の稽古というのは、自分の出番が無くても休む事は出来ません。ただ、有名人に限っては、その限りではありません。他の仕事とか、プライベートなこととか、遊びとか、理由は知りません~。
僕は、台詞も無いし、演技も下手なので、稽古中やる事が無いんですよ、それで他の人の台詞を覚えていたりしてました。はい。
そんなある日、ある超美人女優さんが、自分の場面を稽古したいと言い出しました。
しかし、相手役は、休みです。
しかも、ラブシーンです
演出部の方々が、無理でしょうとやんわり断ってましたが
その、女優さんは、せっかく来たのだから、動きだけでも確認したいと聞きません。
その時、演出部が僕を見るわけですよ。
僕は、目で行けますよと合図します
演出:「あの~、相手役、近藤でよければ、・・・」
女優:「かまいませんよ~」
演出:「近藤、台詞と動き、入ってるか?」
僕 :「はい、2分あれば、OKです。」
女優:「よろしくお願いします。」
えらい勢いで、台本を読み返して、よっしゃー!
演出:「近藤!あくまでも動きの確認だから、本域でやらなくて良いからな!
わかってるな!」
んな、わざわざ、念押ししなくても・・・
僕:「わかってますよ、そりゃあ、真剣に行くにきまってるじゃん」
そんでまあ、動きの説明もしつつ、女優さんの台詞の間違えも直しつつ。。。
やってきました、その時が
「好きです。」「私も」ガバーー-。ムギューーー
至福の時間
しかし、ふと我に返ると、耳に入ってくるヤジ・・???
「ヒューヒュー、近藤、やーらしいぞ!」
「手がぎこちないぞ~」
「力はいりすぎだぞ-!」
神聖な、稽古場なのに、
誰が、やじってんの?と、顔を上げれば、
な、な、なんとー、演出部
なんて人達なんだ~、もう、信じられない
へへへ、でも、ラッキー台詞は入れとくものですね。
有名人のみなさん、どんどん休んで下さいな~。
しかし、思ったより胸が小さかった・・・・・