麻薬と芸術と

2012-09-30

nanzen

 ロンドンオリンピックで、大麻はドーピング検査から除外すべきでは?という議論が出ているという記事を読んで、麻薬に対する意識の違いを痛切に感じました。健全な身体に健全な精神が宿るどころか、肉体と精神は、まったく切り離されて考えられるようになってきたのですね。柔道の試合で、麻薬でラリッた両者の戦いが見たいと思うのは、やはり少し、ついて行けないような気がします。
 ひるがえって自分はというと、麻薬を試してみたいと思う気持ちは何度もあったわけで、どうしてなのか考えてみる。僕の様な一般的な、民間人がなぜそう思ってしまうのか?誰かに勧誘されたわけでもないのに。
 もうこれは、テレビや映画の影響以外に考えられませんよね。
 だいたい映倫って、審査しているのはセックスや暴力だけなのかな
 思想や、考え方についてはまったく審査なしなんでしょうね。
 表現の自由って奴ですか?
 自由なら良いのだけど、なにか、巨大な悪意を持った自由はねぇ。
 結果的に自由ってものは、かなり意図的な事が多いですよね。

 まあ、それは良いとして、どうして麻薬は賛美されるのか?
 芸術に対する考え方の違いかも知れません。芸術家イコール麻薬
 麻薬をすれば、セックスは気持ちよいし、想像力が増して芸術家になれる
 肉体的にも精神的にも素晴らしい薬。欠点は中毒と副作用で、死が近くなるだけ
 そして、吉田松陰氏のこんな言葉を思い出す。
「死して不朽の名を残す見込みあらば、すまわち死すべし」
 なら、麻薬を使ってでも素晴らしい芸術を残して死にたいと思いますよね。
 また、それを肯定するかのような映画が多いですよね。
 バスキア、アンディーウォーホル、ガガ、ストーンズ、チェリーカーリーなどなど
 麻薬使って勝ち組になれるのなら、死ぬことは怖くない。
 そんなことより、スパースターたちが味わった気持ちを味わってみたい。
 これはもう、芸のこやしと言わずしてなんといえようか!
 もはや、麻薬の抑止力は法律だけなのか
 それでは、あまりにも非力だ、法律はその時の政府の都合で決まるから
 だから、人の心の抑止力にならない。まして捕まらない人もいるわけだし

 だめじゃん

 だめですよ。麻薬に手を出したら、
 麻薬は、間違いなく片道切符です。もう、戻れません
 いやいや戻れないのは、人生は全てだけど、行き先が決まってしまうということ
 それは、この歳でやっと分かったこと、だから若者は危険にさらされたままですね
 きっと完全な片道切符だとは、誰も言わないと思います。
 それは、説明を間違えれば薬全般に関わることになりますからやばいでしょう
 つまり麻薬がどれだけ危険かは、説明が難しいから、しないと思います

 ただ、昔の日本人は麻薬に頼ることなく、
 素晴らしい芸術的センスを勝ち取ることに成功しています。
 その事を忘れずに、健全な意識の状態で文化を創りたいですね。

 僕は最近ただただ思うのです。
 ある悪意を含んでいるかも知れない巨大な力に
 刃向かったり、期待したり、失望したり、背を向けたりせずに
 粛々と、芸術についてあれやこれや考えて進めることが大切なんだと
 昔の日本人がしていただろうと思われるように
 とっても楽しそうですね。頑張らないとね

 


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