Archive for the ‘自分ネタ’ Category

ギョーム監督に写真を撮ってもらう

2015-07-04

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スタジオをお借りして、ギョーム監督に写真を撮ってもらいました。
宣材には使えませんが、ちょっと遊びで着物と牢屋という設定です。
意味不明のシチュエーションです。はい
牢屋の中なのに刀を持っています。

o0800053413340430137なぜか、まわりのみなさんも演出にさんかしていただきまして
いろいろグッズが置いてあります。

o0567085013340431063仕舞いには、花びらを撒いてくれたりしました。

1399189_980885678609777_7679968386751222263_o結構無責任にいろいろと考えてくれるのが、楽しいし嬉しいです。笑
最後には、ギョーム監督にロバのお面をかけていただきました。

11425501_980885728609772_8546472351097851448_oロバに変身した以上、次はタイテーニア様に会いたいですね。(シェークスピア)

これまでは、写真をプロの方に撮ってもらうときは、仕事か
宣材に使う用か、どちらかでした。
特に男性の場合は、なかなか遊びで写真を撮ることは無いと思います。

これは、まあギョーム監督のご厚意に甘えているのでありますが、
結構、楽しい経験になりました。
ありがとうございました。

オフショットでこんなのも。

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山本亭を借りて、写真撮影会

2015-04-17

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葛飾の柴又、帝釈天の近くにあります山本亭にて写真撮影会をしました。
仕事でもなんでもなく、ただ、集まっての撮影会です。
カメラマンは岡田顕微鏡さんです。
DSC_5760 コンセプトは、岡田顕微鏡さんが考えてきてくれました。
タイトルは「たんぽぽと金魚草」です。
_DSC0106 商用作品ではないので気は楽です。笑
いっしょにアイデアを出しながら、ああでもないこうでもないと撮影しました。
もちろん、基本は絵コンテどおりです。はい
_DSC0625 一見、とても無意味なイベントのようですが、
こうしてみんなが集まって、わいわい何かするって良いですね。
こんな撮影会を定期的にやったら面白いことになるかもとも思いました。
最後はとりあえず、記念撮影です。
DSC_5718 ありがとうございました。

 

 

 

フランスのWeb TV のMy Japanに出演

2015-04-03

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フランスのWeb TV の Gong networks の中にあります番組 My Japanに出演しました。
テーマは桜と着物です。僕は、俳優としてではなく、
伝ふプロジェクトの代表として、日本文化を語ります。
なんか、偉そうですが、まあ役者ですから、もっともらしくね。話すわけです。笑
リポーターのDavidさんから、桜について講釈できるひと知りませんか?と言われまして。
それは、僕ですと言って決まったわけです。だって、そんな人知りませんから。
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朝から、上野公園、新宿御苑、千鳥ヶ淵とめぐるかなり強行スケジュールです。
ほんとうに天気がよくて、暑い日でした。桜がとても綺麗に撮れたと思います。
実は、天気と相談しながら、ロケ日をメールでやりとりしながら、決めました。
だから、天気がよいのですが、それでも予定が運良く合いました。

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台本はありませんので、その場で番組に意図に沿うように、即興で話すのですが、けっこう大変ですね。

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最後は、桜と日本文化について、まとめて下さいと言われまして、
そんな壮大なテーマを急にその場で言うなよって感じです。
でなければ、伝ふプロジェクトがやっていきたいことを発信して下さい。
う~ん、それもな、急に言えることって、あまりにもありきたりで、
面白くない。そう、番組の締めで面白くないことを言いたくない。
そのへんが、役者のいやらしいところですが、少しは気の利いたことを
言いたいじゃ無いですか~。
それで、やっぱり桜と日本文化ということで、まとめました。
Davidさんは、面白い話しだと言ってましたが、これがどんなフランス語に
なってくるのか、楽しみでもあります。はい。

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笹塚放課後クラブの第4回公演

2015-03-24

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先週は、僕が所属している演劇集団「笹塚放課後クラブ」を芝居を観てきました。
所属と言っても、まだ出演したことがなく名前だけ状態で申し訳なく思ってます。
相変わらず、硬派とういか正統派の芝居で、尊敬します。
しっかり稽古を積んで、練ってきた感じが作品に深みを与えてくれます。
若い可愛い女優さんも入って来たし、今後が楽しみですね。

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実は、この劇団の専属の照明さんは、すごく長い付き合いで(20年以上)
この劇団での再会は、ほんとうに奇遇であります。笑
いままでに僕が、企画した自主公演や、演出した芝居などすべての公演の照明をやってもらっています。感謝。
そんなわけで、千秋楽では、僕は照明さんとして、撤去のお手伝いです。笑
いろいろな劇場で、照明さんのお手伝いをしことがあるんですよ。
ピンスポを担当したこともありますよ。笑

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しかし、この六尺の脚立は、怖いね。(約2.5メートル)
熱いし暗いし、逆光だし、スタッフさんはたいへんですね。

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そして、劇団の看板女優、田中香子さんと記念撮影~。

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サーバーを引っ越しました

2015-03-11

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15年ぶりにサーバーを引っ越しまして、大変な事になってます。
ずっと、kk-planetというドメインで、近藤康成のサイトをたてていましたが、
僕の技量不足で、サイトの引越がよくわからず、新たに
このtutahu.comのなかに作ることにしました。

頑張って盛り上げていきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

ブックマークの変更をよろしくお願いいたします。

 

 

アメリーさん、再び!

2014-08-16

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 今から12年前に、僕はフランスのメジャー映画に突然、出演することが出来ました。
 いろいろな奇跡が起きて、出演できたのですが、撮影はまさに夢の中の世界でした。
 そして、その映画の中で、僕が主人公のアメリーさんに最後に言った台詞が、
 「気をつけたほうがいい、アメリーさん。・・・・・・・・・・まあ、頑張って」 でした。
 それから、12年がたち、なんとその映画の続編のような映画が作られると聞いたのです。
 作家は、同じアメリー・ノートンさん、そして監督はステファン・リベルスキーさん。
 主演は、ポリンヌ・エティアンさん。(相手にとって不足無し!)笑
 これで、作家、監督、主演とベルギーの人になったわけです。
 僕は当然ながら、ご縁があるなら是非オーディションを受けたいと思い応募しました。
 結局、応募した役は、ダメだったのですが、監督さんが撮影のために日本に来たときに、
 会って、話しがしたいと連絡をくれたのです。
 そして、指定されたのが渋谷のツタヤの上のカフェ。
 まさにロストイントランスレーションのロケハンのようなシチュエーションだ!
 そこで通訳無しの面接!僕までロストイントランスレーション状態ですか?汗
 いつものように、話せないフランス語を話しながら、これ、だめでしょと思っていましたら
 監督さんから突然、僕の意味不明のフランス語をさえぎって、
 「はい、あなたで決まりです。」って、話の途中だろ?
 「ワンシーンだけで、申し訳ありませんが、とても重要な役なので、
  是非あなたにやってもらいたい」 (前作に出させて頂いたおかですね。)
 「せりふは、あなたの発音は大丈夫だからフランス語でお願いします。」
 と言われたのです。
 なんと僕の役は、原作には無く、監督さんがわざわざ書き足してくれたものなのです。
 いや別に、僕のために書き足したとは言ってませんよ。

 そして、台本を読んで、僕は驚きました。
 (これは、僕の勝手な驚きであって、監督さんの意図はわかりません。)
 12年前と同じ様に、言うのですよ。そして、12年前には言わなかった****を

 いやいや、これ以上は、言えないでしょう。
 ここまででも、かなりやばいですか?まあギリギリ、セーフということで、勘弁してね。
 何はともあれ、フランス語で映画デビューですから!
 そういう、ミッションをこなした俳優はそうはいないでしょう。(勝手にミッションを作らない!)
 そういったわけで、この映画は役の大きさは関係なくとても感慨深い作品になりました。

 僕は、ご存知のようにタレント名鑑にも載っていないデータベース外の役者ですが、
 もちろん、フランスではデータベースに載ってしまっていますが・・。
 こんなふうに10年に一度ぐらいは、感慨深い仕事らしきものをするわけですよ。笑
 今では、こういう役者もありかな?と勝手に納得してます、、、
 もちろん仕事あればどんどんやりますよ!!!笑

 話しがそれましたが、この映画ほんと、どんな風な仕上がりなの楽しみなのです。
 自分のフランス語を聞くのは、かなりドキドキですが・・
 そのためにも、是非とも日本での配給がありますように!祈るばかりです。

 とりあえず、トロント国際映画祭に正式に出品がきまりました。

 そして、ナミュール国際映画祭では、なんとオープニング上映です!

 頑張れ!!そして何時ものように、僕と共演した。ポリンヌさんは主演女優賞をどこかでとるでしょう!

 映画「東京フィアンセ」 Tokyo Fianee フランス、ベルギー・カナダ合作
 監督: Stefan Liberski 主演: Pauline Etienne 原作: “Ni d’Eve ni d’Adam”  Amelie Nothomb
 

十歳で行き詰まって、美とはなんだろうと考えた

2014-07-18

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 実は、僕は早々十歳で人生に行き詰まっていました。笑
 勉強もダメ、運動もダメ、音楽は最低、友達もいないし、面白い事も言えないし、貧乏だし
 だから、この先どうしたらよいのか、かなりまじめに途方に暮れていました。
 そして時間さえあれば、誰も来ない校庭の片隅で、あれやこれや考えていたものです。
 誰でもそうだと思いますが、僕は自分には無い物にあこがれを抱いていました。
 そしてその頃、十歳の僕にまっくないもの、そう「美しいもの」に憧れていたようです。
 でも、憧れていても縁が全くないので、ラチがあかないですよね。
 ただそれでも、漠然とですが、美というやつは、たとえ縁もゆかりも無くても、誰にでも、
 追いかける権利ぐらいはあるんじゃないかって、そんな風に考えていたんです。

 そこで、僕の様な人間でも追いかけることのできる美とは、何なのだろう?
 とにかく一生懸命考えました。(すでに、アウトローな人生が始まっていたのか!)

 そして、僕なりの結論を出しました!
 そう!美とは・・・
 真実を追究すること、またその追求する姿勢なのだ!
 というものでした。

 素晴らしいと思いました、十歳の僕としては、完璧な答えでした。自画自賛!
 そこから、何十年かは、この表題が人生の指針のようになりました。
 大学も理系に進学したし、演劇をするにしてもリアリティを求めてきました。

 ところが、ところがです。
 歳を取るということは、恐ろしいものです。
 だんだん、この表題は色あせたものになります。
 それどころか、なんとなく胡散臭くなってきました。
 真実の追究は、他の誰かに悪意を持って利用させることもあるし、、、

 そうなんです!
 この真実を追究するという行為は、実はほかのだれも幸せにすることが出来ないのではと、
 そう思いはじめたのです。いや、それどころか他人を不幸にすることさえある。
 戦争にしろ、自然破壊にしろ、ただただ真実を追究した結果なのかもしれない。
 つまり、冷静に考えれば、真実の追究はただのわがままでしかないのでは?
 真実を追求しているつもりが、
 いつのまにか利益しか追求してい科学者も多いし。(これは余談)
 真実とか正義とか、他人を責めたり不幸にさせたりすることのがもしろ多い。
 これが真実だと正義感に満ちてごり押ししてくる人に嫌悪感を感じるのも事実だし。
 そもそも、美とはなんだという問いに対する答えとしては、
 真実の追究は、まったく間違っていた!

 まあ、こんな簡単なことに気付くのにかなり時間がかかってしまった。
 そして、間違いに気付いたときには、人生はほとんど終わっています。笑

 じゃあ、この先どうするの?と途方に暮れていました。
 そしたら、やられました。
 身体教育研究所の野口先生にいとも簡単に、さらっと言われてしまいました。

 人は、
 何かへの集注感、また何かに向かって集注する姿を美しいと感じるのです。

 ああ、そうか、なるほど。
 お見事としか、言いようがありませんです。 
 自分で捜せなかったのは残念ですが
 今の僕には、これに勝る考えが浮かびません。 

 集注の先は、予想がつかないし
 目的が定まらないから、誰かが悪用することも出来ない
 また他人に迷惑をかけることもない。
 そして、集注するその姿は、他の人を魅了することができる。
 その姿はきっと美しいと思えるのです。

 のこりの人生は、これかな?笑
 みなさんは、このことどう思われますか?

 

きっとチャンスはありますよ。

2014-06-16

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 そんなチャンスはないんだ!絶対にない。あるもんか!!
 この町には登録してあるエージェントが五千もあるんだ。でもそういうエージェントだって、自分のところのタレントを彼らに紹介さえできないでいる。それでもきみはカードの裏に名前を書いたからきっと電話がかかって来ると思っているのか?そんなカードは彼らがパティーの場所からドライブ・ウェイに車を入れた瞬間、窓から投げ捨てられるんだ。
 これは、ニールサイモンの戯曲「映画に出たい!」の中の台詞です。
 娘が、女優になりたくて、そのチャンスを掴むために
 ビバリーヒルズのパーティーで配車係のバイトをして、
 有名人の車の中に入れる配車サービスのカードの裏に
 自分の名前を書き込んで置いてきたから。
 きっと私にもチャンスが来るんだと、夢を父に話すシーンです。
 それに対する父の答えが、これです。

 このお芝居を観て、帰る時、ロビーで、たまたま友人に会った。
 「これから、プロデューサーと飲み行きくけど一緒に行くか?」
 僕は、迷ったが、一緒に芝居を見にきていた女性に別れを告げて、
 友人と一緒に飲みに行くことにした!(僕にしては、超稀なチョイスです。)

 そして、この芝居の話しになった。

 ~余談~
 実は、この芝居、僕がまだオス〇ープロモーションに所属しているとき、
 事務所の若い才能在る女優さん達と何度か稽古したことがあるのです。(極秘)
 すごく良いシーンで、僕は実際には子供がいないので、よく分からないのですが。
 ほんとうの娘とこんな、やりとりが出来たらきっと最高なのでしょうね。?
 僕が経験したなかでは、ラブシーンなんかよりも、数倍こころに刺さります。
 共演した相手のことが、みんな愛おしく思えてしまう。危険な台本です。
 僕は、ほんとうに幸運にも感性あふれる選りすぐりの女優さん達と稽古できました。
 稽古だから、出来る夢のような相手役ですね。だから、稽古のが楽しいわけです。
 こんな父親役ができるようになるまで、芝居してて良かったと思えた瞬間ですね。笑

 話しは、さておき
 僕は、一緒に飲みに行ったプロデューサーさんに、こういった。
 「この父親役の台詞には、僕はすごくリアリティを持てますよ。
 この芸能界には、まったくチャンスらしい、チャンスがない!。
 夢を売る商売なのに、役者が夢を持てない業界になっているのでは?」
 と、暴言に近いことを言ってしまった。爆

 その場は、笑って過ごして、この話しは終わりにした。
 ところが、帰り際にプロデューサーさんが、こう切り出してきた。

 「あなた、俳優なんでしょ?」
 「はい。」
 「芝居できるんでしょ?」
 (友人)「こいつは、フランス映画にも出たことありますよ」
 「じゃあ、今度プロフィール持っていらっしゃい」
 「えっ!そんな~口を滑らしたら、ほんとうに持って行きますよ」
 「いいわよ」
 「ほんとうですか!わかりました、じゃあ今度伺わせて頂きます」

 そんなわけで、あわててプロフィールを作ったわけです。
 ギョーム監督に写真をかっこよく撮ってもらって、適当に芸歴書いて、、
 持って行きました!
 「これは預かります。私は、誰でもよいというような役は、ふりませんから、よろしく」
 とプロデューサーさんは、かっこよく受け取ってくれました。

 それから、数ヶ月後、一本の電話がありました。
 「台本がありますから、興味があったら読みに来て下さい。」とのこと
 もちろん、あわてて行きました。
 部屋に通されて、そこに準備稿が一部ありまして、読みました。
 「どうだった?」
 「面白かったです。」
 「じゃあ、やる?」
 「えっ?あ、はい」
 じゃあ、あなたの役は、これね。
 これで決定です。決定稿できたら、また連絡します。
 って、(ええ?なにげに良い役だろ、これ?)驚!

 もし、この役をマネージャーさんが取ろうと思ったら、並大抵の努力では無理ですよ。
 プロデューサーさん、豪儀すぎです!映像資料も要求しないで、、、
 つまり、僕の芝居を見たことがないはずなのです。なのに、台詞も聞かずに決めるって!
 こんなキャスティングは、正直ぼくの経験では、奇跡が起きたとしか言いようがない。

 まあ、そんなわけで、世の中なにが起きるのか分かったものじゃない!
 それで、チャンスはきっとありますよ。という訳です。
 これを言っておかないと、プロデューサーさんに申し訳がたたない。
 ですから、仕事が無いと言ってくさらずに、お互い頑張っていきましょうね!

 いちいち奇跡がおきないと仕事が無いというのも、もちろん問題ですが・・笑

 

付き人という立場からみた芸能界

2014-01-29

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 付き人というのは、舞台や撮影の現場で有名な俳優(師匠)さんのお手伝いをしている人です。
 場合によっては、そのまま本人も役者として出演したりもします。僕も、そうでした。
 ただ、イメージとしては、自分では仕事が取れない人、演技の勉強を兼ねている人。といった感じで、、
 つまり、俳優と言うよりは、小間使いのイメージが強く、演技が下手なくせにそこまでして仕事を取る?
 といった、負のイメージも強く。付き人が台詞とかしゃべって大丈夫なの?とはっきり、僕の前で
 言い切った、ある意味頭の悪い、でも一流のプロデューサーさんもいらっしゃいましたぐらいです。笑
 もちろん、付き人にはほんとうにいろんな形態が、ありますので一概には言えません。
 とりあえず、僕だけのお話と言うことで。。
 まあ、こういったことは実は、表面上のことでして、実際どうなの?という話です。
 まず、決定的にみなさんには理解しにくいだろうと思うところは、
 僕たちは、仕事中は家族よりも誰よりも師匠と一緒にいる時間が長いということです。
 朝から晩まで、一緒にいるわけですよ。
 飲みに行ったりしたら、それこそ、寝ている時以外はつねに一緒にいるみたいな。
 こうなってくるともう、信頼関係無しにはやってられません。(僕の場合はです)
 例えば、こんな感じ

 ある意地の悪い女優が、僕に関する告げ口を師匠にしたとしますでしょ。
 師匠:「おい、〇〇が、お前のこと、こんな風に言ってたけど、本当か?」
 僕:「師匠、、申し訳ありませんが、僕の言うことと、その女の言うことのどっちを信用しますか?」
 師匠:「・・・・・、お前の方だよ」
 僕:「だったら、そんな女優の言うことなんかに耳を傾けなくて良いです。おわり」

 この時、僕を信用しないと言ったら、即、荷物をまとめて帰る決意があるわけですよ。
 たぶん、師匠もその決意を感じとって、それ以上つっこめないのです。笑
 しかし、こういう関係じゃないとね、長いことやってられませんよ、この業界。
 逆に、飲み会とかで、師匠の演技の悪口とか始まれば、僕は、まっさきに宣言します
 「この話題をこの先も話したいのなら、僕は帰らせて頂きます。」
 師匠の看板を背負っている以上、同席はできません。てなわけです。格好いいこと言ってるのでは無く
 かならず、あとでチクる奴がいます。これこの業界のひとは気をつけて下さい!
 飲み屋で、自分の出ている番組批判をしないこと!!危ない、危ない。笑
 そんなわけで、僕が相当のへまをしても師匠は我慢強く信頼して待っているわけです。
 例えば、僕が寝落ちして、きっかけに間に合わなくとも、師匠は、大丈夫か?の一言です。
 楽屋に、有名人やプロデューサーが来たとき、僕がお茶や座布団を出さななくとも、
 師匠はその僕の判断を尊重して文句を言ったりしませんでした。(普通はだめでしょう)
 あっ、思い出した。僕の大好きな女優、大河内〇々子さんは、僕が撮影でお先に失礼しますと
 あいさつしたら、お付きの人に、私のことはいいから、ちゃんと近藤さんを撮影所の門までお見送りして、
 と付き人に言ってました。さすが、〇々子さん。萌
 こういう判断も、僕と師匠の間では、僕が決めていました。
 綺麗な女優さんは門までお見送りするわけです。(嘘です。そんなことしたら、師匠が嫉妬します。笑)

 こうした態度を付き人のくせに生意気だという人も多くいました。
 しかし、そういう助言は、家族には通用しないように、付き人と師匠というのは、二人にしか分からない。
 あうんの呼吸をお互いに作り出しているのだと思います。
 師匠だからといってなんでもかんでも、従っているわけではありませんでした。
 喧嘩を買って出るのも付き人の仕事だと言っていた人もいました。そうだと思います。
 付き人は、師匠の家族以上に、精神的にも支えていかないといけない場面もあるわけです。
 僕の師匠の兄は48歳という若さで、癌で他界します。
 その闘病の間、人間国宝であった父も他界します。
 その死は、兄に知らせることも出来ず、また兄の病気はマスコミには内緒でしたので
 そのお見舞いを兼ね、会いに行けるのは僕だけでした。
 当然、ご親族の辛さは、僕の所に重くのしかかってきました。でも、ここで冷静でいられるのは
 僕だけです。僕が冷静に行動しないと何も進まないとも思いました。
 おかげで、お葬式の時には涙も流さない冷たい付き人だと、多くの人は思ったことでしょう。

 ほんとうに、たいへんでしょう??
 それと同時に実は演技も、コントロールしていました。爆。師匠が聞いたら怒らるかな。笑
 芸能界は、褒め殺しがよくあります。特に僕の師匠は演技がうまいと定評がありました。
 完璧な芝居を続けると、ちょっとおごりみたいなものが見え隠れします。
 ぼくは、これが気に入らないのです。悦にいった芝居をしたときの俳優ほど醜いものはありません。
 あっ、これは僕の個人的な、価値観です。あしからず
 これ、難しいでしょう?良い芝居をしているわけだから、ダメの出しようがない。
 僕が、それにケチを付けたら、それこそ喧嘩になります。
 それで、どうするかというと、例えばこうです。

 僕: 「師匠、あの場面で荷物をテーブルに置くでしょう」
 師匠:「ああ、それがどうした?」
 僕: 「あの荷物の位置をもう少し前に出すと、下手のお客さんにもよく芝居がわかりますよ」
 師匠:「おお、そうか、やってみるよ」

 はい、これで完璧に僕の好きな芝居に変わります。絶妙のアドバイスですね。
 付き人は、師匠の芝居を客席からチェックしているんだと思わせたし、
 僕がそのことをチェックしていると、思ったので演技にちょっとした緊張感が足されます。
 ほんのわずかなことですけど、演技的には劇的に変わるわけです。
 これも毎日同じ芝居を見ているからこそできる芸当ですね。自画自賛

 ここで、内田樹氏の「他者と死者」からの抜粋です。

 弟子が師から学ぶのは実定的な知識や情報では無い。無限の叡智を引き出すための「作法」である。
 「作法」とは私たちが星を見上げるときの視線の仰角に似ている。
 芸道において、「指を見るな、月を見よ」ということがよく言われる。私たちが師から受け継ぐのは、
 師が実定的に所有する技芸や知見ではない。そうではなく、私たちの師がその師を仰ぎ見たときの
 視線の仰角である。師がその師を星を見上げるほどの高みに仰ぎ見ている限り、
 仮に私の師と私の間の間にどれほどの身長差があっても、仰角のぶれは論じるに足りない。
 視線の角度は正しく継承され、私はそれを次代に相伝することができる。

 芸能人としては付き人をしたおかげで、かなり遅れをとったのかもしれない。
 しかし、僕たちは付き人という関係の中で、師匠と共に成長してきたと確信している。
 それは、もう端からは理解不能なのかもしれない。
 そして、世間のステレオタイプの評価とは、関係なく
 付き人の人生があり、それなりに奥の深いドラマが展開されているということ
 またなによりも特質すべきは、こうした関係は他では味わえない
 仕事を越えた、人と人のつながりを経験できる仕事なのかもしれないということです。
 自己弁護に聞こえてしまったら、ごめんなさい。

 そして、言っておきますが、付き人を甘く見ないほうが良いですよ。
 パリのバレエの新人をプチハ(子ネズミ)と言いますが、
 まさに付き人は撮影所や劇場の子ネズミのような存在です。
 一致団結したとき、その躍動感は、劇場を揺るがすほどの存在になります。
 そして、敵にまわせば、どんないたずらだって仕掛けられるんですよ。怖いでしょう。笑

 そうそう、そして最後にある女優と付き人の関係をみごとに描いた映画があります。

 「華麗なる恋の舞台で」、おすすめです。この映画の中に出てくる女優と付き人の関係に
 嘘が感じられません。すばらしいです。付き人を経験した人しか知り得ないような内容になっています。

 

僕の転機となったオーディション

2013-12-27

stupeur

 もう10年以上も前になるけど、僕にとってすごい転機となった
 映画「畏れおののいて」のオーディションのときの話です。
 転機といっても、それから有名になったとかではないのですが、
 精神的には、この映画を境にとても変化がありました。
 (過去の栄光でしょと言われればそれまでですが、、、汗)
 ある日、マネージャーからフランス映画のオーディションがあるから。
 近藤君出しておくからね。と電話がありました。

 と、一見軽い感じですが、実はこの時点でかなりすごいことでした。
 だいたい映画のオーディションなんて僕は、初めてでしたし。
 しかも、このオーディションは、僕はまったく知らなかったのですが
 有名人が、いっぱい受けることになっていたのです。
 そして、僕は天下のオ〇カープロモーションからの推薦ですから、笑
 この時点で、事務所で大騒ぎというか、かなりもめていたらしい。
 僕の様な無名の人を出すのは、恥ずかしいわけですよ??人材不足みたいになるし。
 でも最後は芸能部の部長さんが、この役は彼にぴったりの役だ!
 名前を書くだけじゃないか!とごり押ししてくれたらしい。本当に感謝!
 この部長さんは、実は僕が最初のドラマのレギュラーに決まったときにも
 まったく実績がないのにもかかわらず、僕が責任をとりますから彼を使って下さいと
 テレビ局にかけあって売ってくれた人です。すごいことであります。
 このドラマに出たか出ないかの最初の一歩って、普通だいたいの場合みなさん、
 たいへん苦労するところだと思います。資料を出せって言われても無いわけですから。
 大げさですけど、人類が月面に降り立つような瞬間ですよ。
 それを、僕に会うこともなくドラマが決まるのは、さすが大手プロダクション!
 本当に心からの感謝であります。

 話は戻して、オーディションですね。そんなわけで、大手ですから?
 書類は通りまして、一次オーディションです。

 それで、ええ、遅刻しました。爆

 僕はよくCMのオーディションやNHKの連ドラのオーディションのように
 大きな部屋に、大勢の人が、オーディションシートを持って待っているのだと
 勝手に想像していたのですが、、、
 ビルの入り口で、キャスティングの人が、いらいらしながら待ってました。
 近藤さんですか?すぐ、はじめますから、こちらに来て下さい!
 と部屋に入るなり台本を渡されて、それに目を通すもまもなく
 オーディションルームへ、カメラだけのオーディションです。
 まじ、初見の台本をただ読んだわけですよ。笑

 今、思うとそういうことなんですよ。有名人がいっぱい来るので
 誰が、オーディションに来たかということは重要機密事項なんですね。
 だから、誰とも会うことのないように、時間が正確に区切られていたんだ
 そこへ僕は、遅れていったから、イライラしていたんですね。すみません。
 おかげで僕は、台本を雑念無しで、ただ読むことができました。笑

 それから、1ヶ月以上はたっていたと思うのですが、
 一次通過しましたから、二次用の台本を覚えて下さいという通知が!
 もう、とっくに終わったと思っていましたので、映画の資料とかは
 全部捨てた後でした。爆。今度は監督さんが来日するし、やべ~誰だっけ?
 事務所に怒られないようにそれとなく聞いて、調べ物を始めました。

 まず制作は、、、え~二年連続でカンヌ映画祭でパルムドールに輝いている!!
 監督さんは、、お~セザール賞7部門受賞!げげげ
 ひょっとして、これって、メジャー映画??少しプレッシャーが、、

 台本は5分程度の内容、しかしがっちりした内容。フランス語の翻訳のせいか
 ひどく言い回しが覚えづらい!しょうがないので、
 タイプの違う二人の女優さんに頼んで、稽古に付き合ってもらいました。
 そして、米倉〇子さんとかを指導していた先生にみてもらいました。

 そこで、くだらない作戦をねりました。爆
 僕:「どうせ、受かるわけないんだから、思い切って、このシーンはシビアな
 シーンだけど、ヘラヘラしてやったらだめかな?」
 先生:「うーん、賭だね。でもヘラヘラするのは近藤君の持ち味でもあるから
 いいんじゃない?やってみれば?」
 僕:「へへへ、やってみる~~。」

 そして、オーディション当日、僕はどうせ、フランス語なんてさっぱりなので
 まったく語学もせずに行ったら。監督さんが、How do you do?って、
 しまった英語で来た!どうやってかえすんだっけ?How do you do?汗
 How are you? げっ、How ,,ちがう、Fine thank you.汗汗
 それから、スタッフの紹介があり、自己紹介して、さて台本を
 この時、関係ないスタッフは部屋の外へ、(たぶん役者への配慮です)
 相手役をしてくれるのはスタッフではなくちゃんと女優さんです。
 しかも、きっちりセリフを覚えてきている!!すげ~~。やりやすい!

 そして、作戦通りヘラヘラとやってみた。
 で、終わった瞬間に監督が、怒る怒る。通訳を従えてダメだしすること
 約10分ぐらいしたかな?君は解釈を間違ってると、まあそうなんですけど。
 それで、さんざん注意されて、終わるかと思ったら

 監督:「君は、もう一度、トライしてみるか?」
 僕:「はい」(よろこんで)笑

 普通バージョンをしてみました。こっちは何度も稽古してきたしね。
 相手の女優さんとも、とても組みやすい感じだったので、
 まったくフラットに芝居をしました。

 終わると監督が、キャスティングの人へ
 「彼のスケジュールはどうなってる?」
 無茶苦茶慌てて資料をひっくり返しているキャスティングさん。
 まったくノーマークだろうし、そんな資料はないと思ったので、
 僕「まったく予定はありません」
 監督「そうか、何か仕事が入りそうならすぐに連絡をくれ」

 え~~どうして?まあいいや、と挨拶をして帰る
 やたらと愛想の良いスタッフ、こういう愛想の良い時って絶対落ちてると
 思ってました。爆。単に日本に旅行に来てテンションが上がっていたのかも?笑

 数日後、芸能部とモデル部の両方から合格の通知を頂きました。
 マネージャー:「近藤さん、フランス映画とか見たことあります?」
 僕:「記憶にないと思います」
 マネージャー:「だめだめじゃないですか~、今、銀座でアメリやってますから、
 一緒に見に行きましょう。相手役になるかもしれないしね」
 僕:「はい」

 そして、マネージャーに連れられて、アメリを見ました。面白かった!
 これが、ぼくがフランス映画にはまりはじめる第一歩です。笑

 メディカルチェックを受けたりするときに、キャスティング情報が入ってくるのですが、
 そう思うと、僕はかなり早くに決定を頂いたわけです。主役よりも前に決まった。
 これって、どうなんですか?日本でもこういうことってあるのですか?
 よく、主役が決まらないと、バランスがわからないので脇が決まらないって
 聞いたりしましたから、、、それで勝手に相手役を妄想していました。失礼。

 そして、夢としか思えないフランスでの撮影
 パリのシャンゼリゼ通りを一人で歩きながら、
 フランスで映画撮ってる、俺って、誰?こんなこといったい誰が想像できた?
 人生って、本当に先が読めない、チャンスは必ず来るからっていう、冗談もあるけど。
 ほんとうに役者を続けていて良かったってこの時こころから実感しました。
 セーヌ川にかかる橋から、夕日を眺め、すべてのことに感謝という言葉が浮かびました。

 僕は、相変わらず売れていませんから、今もひどいことを言われます。
 才能がないとか、売れないタイプの人だとか、役者に向いてない人だとかね、、
 相手が弱いと勝手なことを親切に言ってもらえるわけです。
 だから、今仕事がまったくないんでしょう??ってね。
 でも、そんなこといったい誰が、決められるのだろうって、今は思えるわけです。
 ほんとうに、皆さんのおっしゃることはごもっともなことばかりなんですけどね。

 地球の裏側で、
 イヴモンタンやカトリーヌドヌーヴやモニカベルッチやソフィーマルソーやジュラルドバルデュ
 シルビーテステュード、リュデュビーヌサニエ、さんたち大御所にトレビアンと言ってきた監督が
 同じ土俵で、ブラボーと言ってくれた。
 ドイツ金熊賞最優秀女優賞、フランスセザール賞最優秀女優賞に輝いた女優さんに、
 カットがかかった瞬間にブラボーって、抱きつかれた経験って、?何?

 だからですね。
 監督さんやら、演出家さんやら、プロデューサーさんに冷たくされて落ち込んでいる人
 あまり気にすることないですよ、だれにでも好かれることは無いんですよきっと。
 すごくニッチなところで、突然気に入ってくれる人が、いるかもしれないんですから
 昨年やった芝居でも、まったく不評だったと思いますが、
 僕の知らない、関西のおばあちゃんに、「あんた、おもろかったわ」と言ってもらったとき
 ああ、この一人の人で、OKだと思いました。爆、あとは、悪口言って下さいってね。笑
 本当に真摯に演劇に取り組んでいけば、それでいいんですよきっとね。
 才能がないと思って悩んでいる方、連絡下さい。一緒に活路を考えましょう。
 だから、夢のある仕事にしましょうよ。
 結果がすべてだなんて、言わせたら、芸能界全体の負けですよ。
 お金を食べてるんじゃないよ、夢を食べてるんだよって、
 言ってやりましょうよ。     青っ!

 後日談、
 この写真は、横浜フランス映画祭の時の舞台挨拶の様子です。
 僕は、無名なので招待されていませんでした。自分でチケットも買ってました。爆
 でも監督の性格からして、やばいと思ったのでスーツは着ていきました。笑
 名簿にも載ってないので楽屋へも入れず困っていたら、
 バンサンペレーズさんが、入れてくれました。
 楽屋ではフランス人にインタビューをいっぱいされました。(聞いてないし)
 みんな初めて会う人なのに、僕が近藤だということを知ってました。驚
 そして、客席に戻って、開演5分前にスタッフが飛んできて、すみません舞台挨拶を
 お願いしますって、席はこちらでご用意しますって、もう買って入ってるんですけどね。笑
 そして、舞台挨拶していたのですが、この時、僕のことに懐疑的だったマネージャーさんが
 大きな声で、かけ声をかけてくれました。嬉しい。涙。
 みなさん、ありがとうございました。

 

 

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