至福の代役

2010-01-19

paris12

 舞台の稽古というのは、自分の出番が無くても休む事は出来ません。ただ、有名人に限っては、その限りではありません。他の仕事とか、プライベートなこととか、遊びとか、理由は知りません~。
 僕は、台詞も無いし、演技も下手なので、稽古中やる事が無いんですよ、それで他の人の台詞を覚えていたりしてました。はい。

 そんなある日、ある超美人女優さんが、自分の場面を稽古したいと言い出しました。 

 
 しかし、相手役は、休みです。
 しかも、ラブシーンです
 演出部の方々が、無理でしょうとやんわり断ってましたが
 その、女優さんは、せっかく来たのだから、動きだけでも確認したいと聞きません。
 その時、演出部が僕を見るわけですよ。
 僕は、目で行けますよと合図します

演出:「あの~、相手役、近藤でよければ、・・・」
女優:「かまいませんよ~」
演出:「近藤、台詞と動き、入ってるか?」
僕 :「はい、2分あれば、OKです。」
女優:「よろしくお願いします。」

 えらい勢いで、台本を読み返して、よっしゃー!

演出:「近藤!あくまでも動きの確認だから、本域でやらなくて良いからな!
     わかってるな!」
 んな、わざわざ、念押ししなくても・・・
僕:「わかってますよ、そりゃあ、真剣に行くにきまってるじゃん」

 そんでまあ、動きの説明もしつつ、女優さんの台詞の間違えも直しつつ。。。
 やってきました、その時が

 「好きです。」「私も」ガバーー-。ムギューーー

 至福の時間

 しかし、ふと我に返ると、耳に入ってくるヤジ・・???
 「ヒューヒュー、近藤、やーらしいぞ!」
 「手がぎこちないぞ~」
 「力はいりすぎだぞ-!」

 神聖な、稽古場なのに、 
 誰が、やじってんの?と、顔を上げれば、
 な、な、なんとー、演出部

 なんて人達なんだ~、もう、信じられない

 へへへ、でも、ラッキー台詞は入れとくものですね。
 有名人のみなさん、どんどん休んで下さいな~。

 しかし、思ったより胸が小さかった・・・・・

 

 


Copyright© 2000 Yasunari KONDO All Rights Reserved.