きっとチャンスはありますよ。
そんなチャンスはないんだ!絶対にない。あるもんか!!
この町には登録してあるエージェントが五千もあるんだ。でもそういうエージェントだって、自分のところのタレントを彼らに紹介さえできないでいる。それでもきみはカードの裏に名前を書いたからきっと電話がかかって来ると思っているのか?そんなカードは彼らがパティーの場所からドライブ・ウェイに車を入れた瞬間、窓から投げ捨てられるんだ。
これは、ニールサイモンの戯曲「映画に出たい!」の中の台詞です。
娘が、女優になりたくて、そのチャンスを掴むために
ビバリーヒルズのパーティーで配車係のバイトをして、
有名人の車の中に入れる配車サービスのカードの裏に
自分の名前を書き込んで置いてきたから。
きっと私にもチャンスが来るんだと、夢を父に話すシーンです。
それに対する父の答えが、これです。
このお芝居を観て、帰る時、ロビーで、たまたま友人に会った。
「これから、プロデューサーと飲み行きくけど一緒に行くか?」
僕は、迷ったが、一緒に芝居を見にきていた女性に別れを告げて、
友人と一緒に飲みに行くことにした!(僕にしては、超稀なチョイスです。)
そして、この芝居の話しになった。
~余談~
実は、この芝居、僕がまだオス〇ープロモーションに所属しているとき、
事務所の若い才能在る女優さん達と何度か稽古したことがあるのです。(極秘)
すごく良いシーンで、僕は実際には子供がいないので、よく分からないのですが。
ほんとうの娘とこんな、やりとりが出来たらきっと最高なのでしょうね。?
僕が経験したなかでは、ラブシーンなんかよりも、数倍こころに刺さります。
共演した相手のことが、みんな愛おしく思えてしまう。危険な台本です。
僕は、ほんとうに幸運にも感性あふれる選りすぐりの女優さん達と稽古できました。
稽古だから、出来る夢のような相手役ですね。だから、稽古のが楽しいわけです。
こんな父親役ができるようになるまで、芝居してて良かったと思えた瞬間ですね。笑
話しは、さておき
僕は、一緒に飲みに行ったプロデューサーさんに、こういった。
「この父親役の台詞には、僕はすごくリアリティを持てますよ。
この芸能界には、まったくチャンスらしい、チャンスがない!。
夢を売る商売なのに、役者が夢を持てない業界になっているのでは?」
と、暴言に近いことを言ってしまった。爆
その場は、笑って過ごして、この話しは終わりにした。
ところが、帰り際にプロデューサーさんが、こう切り出してきた。
「あなた、俳優なんでしょ?」
「はい。」
「芝居できるんでしょ?」
(友人)「こいつは、フランス映画にも出たことありますよ」
「じゃあ、今度プロフィール持っていらっしゃい」
「えっ!そんな~口を滑らしたら、ほんとうに持って行きますよ」
「いいわよ」
「ほんとうですか!わかりました、じゃあ今度伺わせて頂きます」
そんなわけで、あわててプロフィールを作ったわけです。
ギョーム監督に写真をかっこよく撮ってもらって、適当に芸歴書いて、、
持って行きました!
「これは預かります。私は、誰でもよいというような役は、ふりませんから、よろしく」
とプロデューサーさんは、かっこよく受け取ってくれました。
それから、数ヶ月後、一本の電話がありました。
「台本がありますから、興味があったら読みに来て下さい。」とのこと
もちろん、あわてて行きました。
部屋に通されて、そこに準備稿が一部ありまして、読みました。
「どうだった?」
「面白かったです。」
「じゃあ、やる?」
「えっ?あ、はい」
じゃあ、あなたの役は、これね。
これで決定です。決定稿できたら、また連絡します。
って、(ええ?なにげに良い役だろ、これ?)驚!
もし、この役をマネージャーさんが取ろうと思ったら、並大抵の努力では無理ですよ。
プロデューサーさん、豪儀すぎです!映像資料も要求しないで、、、
つまり、僕の芝居を見たことがないはずなのです。なのに、台詞も聞かずに決めるって!
こんなキャスティングは、正直ぼくの経験では、奇跡が起きたとしか言いようがない。
まあ、そんなわけで、世の中なにが起きるのか分かったものじゃない!
それで、チャンスはきっとありますよ。という訳です。
これを言っておかないと、プロデューサーさんに申し訳がたたない。
ですから、仕事が無いと言ってくさらずに、お互い頑張っていきましょうね!
いちいち奇跡がおきないと仕事が無いというのも、もちろん問題ですが・・笑