4月, 2014年
大女優の付き人とデート?
これから話す内容は、かなり古い、とっくに時効成立したお話ですから。フィクションです。笑
大女優には、大方の場合、可愛い付き人が付き添っている。
こんな漠然とした都市伝説が、僕の中には生きていました。
そんなある舞台でのこと、やはり大女優、その女優さんには付き人が5人ぐらいいましたが、3人は確実にストライクでした。
しかし、通常は管理が厳重で、普通に話しかけることも難しいのですけどね。
女優さんによっては、付き人がほかの男の人と話をしているのを見ただけで「首」でした。
そんな問答無用の世界でもあるわけです。だからこちらも気を遣うわけです。
直接、注意してくる女優さんもいらっしゃいます。
「うちの娘は、そういうんじゃありませんから、話しかけないでくれませんか」
てなぐわいですよ。付き人同士の業務連絡だってあるんですけどね。
そんなある日、舞台の袖で泣きそうな顔をしてたたずむ付き人を発見しました。
内緒ですが、師匠同士が舞台で芝居をしている瞬間の舞台の袖の黒幕と黒幕の隙間が
一番安全な場所にかわるホットスポットなのです。
「どうしたの」
「いえ、疲れているだけです」
「そうか、たまには気分転換でもしたら?」
「どうやって?」
「たとえばドライブに行くとか」
「じゃあ、近藤さんドライブに連れて行ってくれますか?」
「え?えーー、そんなこと言われても、たとえば、何処に行きたいの」
「私、海が見たい」 (げげ、昭和の青春ドラマみたいだ)
「う~ん!。。。良いけど。。。よし、じゃあ、行くか!」
「ありごとうございます」
みなさんには、これがどれだけセンセーショナルな事かは、理解できないでしょう。笑
まず師匠は、芸能界でも一二を争う、怖い女優さん?
もし、見つかれば僕の師匠にも迷惑をかけることになる
その女優さんは忙しい人で、いつ急な用事が入るかも分からない?
彼女は、一番若い弟子で、上には姉弟子が4人もいる。
彼女が自由になれる時間は、師匠が寝ている間だけ、しかもそんなに寝る人ではない。
彼女の部屋は師匠と同じ部屋。
電話を使うのは、危険すぎるし、携帯もない時代。
宿泊先は高級ホテル、ここを誰にも発見されずに脱出し戻らないといけない。
車ももちろん芸能レポーターがチェックしない車である必要性がある。
これだけのミッションを僕たち二人以外の人には知られずにこなさないといけない!
しかも、彼女と話ができる時間は、たぶん一日の中で1分ぐらい。
あとは、姉弟子にかこまれている。
まさにミッションインポッシブルだ。笑
結果行きましたよ。笑。最終的には、彼女の付き人ではない親友が手伝ってくれて
その子と三人で深夜のデートドライブです。
高速をかっ飛ばして海へ、女の子二人が海ではしゃいでいるのを見てたら、
そうだよね、まだ高校卒業したばっかりだからね。遊びたいよね。とつくづく思いました。
どうして、こんな過酷な仕事を選んだんだろう?
しかしそれにしてもこの口の軽い僕が、よくぞみごとなミッションをこなしました。笑
友達にも、師匠にも、姉弟子にもばれずに、何事もなかったように千秋楽を無事迎えました。
その娘とは、その後仲良くなったかって?そんなの無理ですよ物理的に。笑
そんなに、挨拶もしないのが現状でした。
姉弟子たちからは、千秋楽にプレゼントをもらったりキスされたり大変でしたが、汗。
ただ、ボーリング大会の時の集合写真で、どさくさにまぎれて隣で腕を組んで撮ったのが
彼女のお礼のサインだと、勝手に解釈して、よい思い出として残しました。
古き良き時代だ。(おやじだ~)
そして、可愛い彼女の行方は誰もしらない。
くだらない思い出話をさいごまで読んでしまった人。ごめんなさい。
ありがとうございました。いえ、これはフィクションです。