喜味こいし師匠と舞台

2011-01-14

versaille8

 自分も歳を取ったわけだから、別れはしょうがないことだと思うけれど、悲しいです。
 こいし師匠からは、ほんとうに多くのことを学ばせて頂きました。
 ほんとうに、心底やさしい頼れる大先輩でした。
 よく、将棋の相手もして頂きました。
 ぼくが、不覚にもつい口を滑らせて、
 「なんや、このえげつないおっさんは~!」と言ってしまったときも
 ただ、ニコニコして許してくださいました。
 ていうか、気にしてなかった
 飲み屋にも連れて行って貰って、深い話をいろいろ聞きました。
 すっごく偉大な人なのに、まったく偉そうなそぶりしません。
 すごい人生を歩んで来たのに、一言も苦労話をしません。
 黙々と舞台に打ち込む姿を見せるだけです。
 そして、人を爆笑の渦へと巻き込んでいく
 ただただ、頭が下がるだけです。
 僕は、肌で感じました。
 笑顔のまま沈黙のまま圧倒されるのを
 威圧されない、威圧感、壮大な人間性を感じさせる瞬間を
 自分の人生なんて、思い描けなかった時代
 真剣に生きることしか許されなかった時代
 そんな、師匠が僕に言った言葉
 「近藤君、道はひとつしか無い訳じゃないからね」

 子供の頃から、あこがれていました。
 ほんとうに、出会えたことを感謝しつつ
 ご冥福をお祈りします

 


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